サッカーの海外の育成方法から学ぶ、日本サッカーの育成方法の改善点について、解説します。

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はじめに

日本のサッカーの育成について、ガイドラインはあるものの、末端まで、浸透しきれていないように思います。

これから、世界と闘っていくには、育成や指導者のレベルアップが重要だということを言ってはいますが、机上の空論に思えてなりません。

また、方針についても漠然とし過ぎており、個人的にはビジョンが明確になっているとは言い難いものです。

海外に目を向けると人口及び競技人口が明らかに日本より少ない小国が、ワールドカップなどの世界的な大会で結果を残しています。

個人的には、そのような国から学ぶべき部分は非常に多いと感じています。

今回は、海外の育成方法から学ぶ日本サッカーの育成の改善点について、解説したいと思います。

育成年代に必要な事

過剰な練習量の改善

日本の育成年代は、勝利至上主義が浸透しており、世界の同年代に比べて明らかにオーバートレーニングだと思います。

外国人のコーチが日本を訪れた際に、高校の部活が急遽オフになった時に生徒たちから歓声があがったのを見て、不思議がっていたそうです。

海外では考えられない光景で、海外の生徒は逆にサッカーがプレー出来ないことを残念に思うそうです。

この事例からもわかるように、自分が楽しむためのサッカー、成長するためのサッカーにはなっておらず、勝つためだけに指導されているということがわかります。

個人的には、この段階で世界との差は大きく開いているのではと感じました。

私も小学生から高校生の頃まで、ほぼ毎日の練習と、土日の休みの日は必ず試合が入っていました。

ドイツの例をあげるとジュニアユースで90分のトレーニングを週2~3回程度。夏休みは最低でも3週間はオフとなるそうです。

オフの間に心身ともにリフレッシュさせるため、その後のサッカーのパフォーマンスは高くなるそうです。

日本のトレーニングは、練習をやればやるほど上手くなる。ボールを触れば、触るほど上手くなるという考え方ですが、ドイツは量より質を重視しており、短期間で強度の高い、練習を行います。

体力的にも明らかにドイツのほうが練習効果は高いと思いますし、メリハリの利いたトレーニングは、燃え尽き症候群の発生を抑制する効果があります。

ドイツのようなメリハリのあるトレーニングを見習い、練習量の改善を行うべきです。

トレセン制度の抜本的見直し

サッカーの育成の方針については、大きく2種類に分類されると思います。

大国型育成:選手を競い合わせ、その中で優れた選手をピックアップしていく。

小国型育成:限られた選手の中でいかに優秀な選手を育てるかに重点を置く。

自分自身がトレセンを経験した選手からすると、日本のトレセンは大国型育成だと思います。

そのため、早熟の選手ばかりが育ち、晩成型の選手は、陽の目をみないままサッカー人生を終えてしまっている可能性があります。

マンチェスターシティのデ・ブライネ選手は、ユース時代フィジカルが弱く、試合ではあまり活躍できなかったのですが、ベルギーの育成方針が、晩成型の選手もしっかりフォローしていくという育成方針であったため、現在では世界的なプレーヤーに成長しています。

また、個人的には小学生のエリートキッズプログラムに関してはまさに、一部の優れた選手をピックアップしたもので、違和感を感じます。

埋もれているダイヤの原石は沢山あると思います。

ジュニア世代では、優れた選手をピックアップすることより、全体的なレベルアップ(ボトムアップ)に重点においた制度に見直すべきです。

優れた選手のピックアップは高校生、最低でも中学生レベルからで十分だと思います。

 

システム及び戦術の共有

育成で有名なオランダのアヤックスはジュニアからトップまで全て4-3-3のシステムを採用しており、一貫しています。

全ての育成選手はトップチームを目指すためにプレーしており、トップチームに育成の全て集約されていると言っても過言ではありません。クライフ、ライカールト、ファンバステン、セードルフなど世界的トッププレーヤーが、人口1,800万人程度の小国から、輩出されているところに我が国の育成へのヒントが隠されているかもしれません。

また、世界ランク一位のベルギーも様々なシステムを採用していた各クラブに働きかけ、システムの統一を行い、国をあげて、目指すスタイルの共有化を行っています。

更に、各年代でゾーンディフェンスを採用しており、サッカー協会の明確な方針によって各年代がそれぞれのところでレベルアップし続けています。

尚、ベルギーの人口も1,100万人であり、我が国の1/10以下ということも申し添えておきます。

我が国も、ジュニアからナショナルチームチームまで目指すスタイルの共有化を図り、一貫した育成方法を提唱すべきだと思います。

まとめ

小さい国の中だけで勝った、負けたと育成年代から一喜一憂している時代は終わりました。

これからは、世界に目を向けて、日本が世界と闘っていくにはどうすればいいのかを考えなければいけません。

今のままでは、世界との差は開いていく一方だと私は思います。

また、サッカー大国のブラジル、フランスなどの競い合わせてレベルアップしていく育成法は日本には合っていないように思います。

上述したベルギー、オランダのような、限られた人財を以下に成長させていくかというところに重点をおいて、選手を育成していくことが日本のレベルアップへの近道だと私は思います。

ももかつ

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