ボールを奪う?ゴールを守る?サッカーにおける日本と海外の守備の意識の違いについて解説します。

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はじめに

海外で活躍した選手が、日本に戻りJリーグでプレーするケースが増えてきています。その選手たちが海外のリーグと日本のJリーグを比較した際に、口をそろえて別競技のようだと言っているのをよく耳にします。海外が優れていて日本が劣っているというわけではなく、意識の違いが一つあるようです。今回は、その代表的な意識の違いの一つである日本と海外の守備の意識の違いについて解説します。

日本と海外の守備の違いについて

筆者も現役時代サッカーをプレーしていました。メインのポジションはSHでしたが、ボールホルダーにプレッシャーをかけに行く際に『一発で行くな』『遅らせろ』という指示がディフェンスの選手から声がかかります。かわされたり、抜かれたりすることを防ぐために、徐々にアプローチをします。また、攻撃を出来る限り遅らせるために、プレッシャーをかけにいくようにします。所謂、背後を取られないような守備を行うことが日本では、守備のやり方としてはセオリー通りだと思います。

それでは、海外ではどんな意識で守備をしているかというと状況にはよりますが、最初からアグレッシブにアタックしていきます。一人目は抜かれても構わないから突っ込んで行き、バランスが崩れたところで二人目、三人目でボールを奪う。複数人でボールを奪いきるということを意識しています。海外のサッカーでは日本と比較してボールを奪うというプレーを守備の重点に置いています。

ボールを奪いきるという戦術を採用している海外のチームでいえば、ブンデスリーガのRBライプツィヒのハイプレスやクロップ監督時代のドルトムントやプレミアリーグのリバプールのゲーゲンプレスのような高い位置で素早くボールを奪い、ショートカウンターで一気に攻めるような戦術があてはまります。

ワールドカップのロシア大会で日本はベスト16まで進みましたが、攻撃面では優れたコンビネーションで組織的に攻めることが出来きたと思います。ただし、守備の面で世界と比較すると劣っていたといわざる得ません。ベルギー戦で後半途中まで2-0で、リードしていたにも関わらず、その後3点入れられ逆転負けしたことからも守備面での不安を露呈する形となりました。また、東京オリンピックにおいても守り切れない試合がありました。守りきれない理由の一つにボールを奪い切るという意識の欠如があるように思います。日本代表には海外でプレーする選手が多くなってきているにも関わらず、海外と比較すると守備面での能力が劣っていることを考えると、育成年代からの指導によって構築される守備の意識の違いが一つの要因かもしれません。

まとめ

サッカーは局面によって、選択するプレーが異なるので全ての場面でボールを奪うプレーが必要かというとそうではありません。状況によってはディレイさせることも必要です。ただし、海外と比較するとボールを奪いきるという意識が少ないように思いますし、Jリーグや高校サッカー選手権のような育成年代の試合を見ても同じように感じます。世界との差を埋めるためには、こういった一つ一つの意識を変えていく必要があるのではないかと思います。

ももかつ

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