はじめに
大事な試合の前、選手の皆さんはどのようにして過ごしているでしょうか。サッカーではよく、試合終了のホイッスルは次の試合の試合開始のホイッスルと言われます。普段の生活や練習の成果が試合へ影響することは言うまでもありません。いい準備をすれば、試合のパフォーマンスは大きく向上します。試合までの準備期間が長いのか短いのか、選手の疲労度やどんな相手なのかによって、厳密には準備の仕方は変わりますが、試合前1週間位から当日までの準備の仕方を私が選手時代に経験した、内容で解説したいと思います。
試合前1週間
対戦相手がいつ判明したかによって対応は異なりますが、対戦相手のスカウティングをしっかり行い、十分に対策を練り、その対策を反映させた練習を行う必要があります。練習では対戦相手の対策を中心に行い、体が消耗するような激しい練習は避けるとともに、ケガには十分に注意するように練習を行ってください。
映像があれば、対戦相手の試合を観るなどしてマッチアップする選手を中心に、選手の特徴などをしっかり掴んでおく必要があります。選手の特徴をしっかり頭に入れて試合に挑んでください。更には、選手間同士で対戦相手の対策や情報を共有化するためにミーティングを行う必要もあります。
家ではサッカーの映像を観るなどしてイメージトレーニングを行い、いいイメージを頭の中に残しておくようにするといいでしょう。
試合前日
激しい練習は避けて、戦術の最終確認やセットプレーなどを中心にトレーニングを行って下さい。試合前日に、慌てていつもと違うことをやっても試合に活きる可能性は低いです。試合への対策などがある場合は、試合前日ではなくしっかり前もって準備を行う必要があります。
トーナメント戦などで引き分けの場合PK戦がある場合は、試合を想定した形でPKの練習をすることをお勧めします。
食事に関しては炭水化物を中心に取ると良いでしょう。消化に時間がかかる肉類などの脂質は避けて、普段から食べ慣れた消化の良いものを取って下さい。また炭水化物は70パーセント程度がいいとされています。
睡眠についてはいつも通りの時間を出来る限りリラックスした状態でとるようにしてください。
試合当日
試合前3時間前には炭水化物を中心とした食事を済ませてください。また、試合前はゼリーなどの軽食とスポーツ飲料などで水分補給を行ってください。
ピッチの状態は試合に影響しますので可能であれば、試合が始まる前に芝の長さやグランドの状態などをピッチの状態をしっかり確認しておく必要があります。
ウォームアップについては、ブラジル体操、ジョックなどで身体を暖め、ストレッチを行いしっかり身体を伸ばしてください。その後、8~10m程度のダッシュを5本程度行い一度負荷をかけ、各ポジションに配置後、クロスやシュート練習を行います。シュートの際はなるべく試合を想定した形で行うようにしてください。ウォームアップにかける時間が長いチームがありますが、試合前に消耗してしまいますので、個人的には30~40程度が理想だと思います。
ロッカールールでは集中力を高めるためのルーティンを行うといいでしょう。集中力の高め方は個人によって人それぞれです。音楽で集中力を高める選手もいれば、瞑想などを行う選手もいますし、選手同士で声を掛け合って集中力を高めて試合に挑む選手もいます。選手によって個人差がありますので自分の特徴をしっかり把握して、どうすれば、集中力を高めることができるかを色々と試してみて、自分にあったルーティンを見つけ実行するといいでしょう。また、声を出すことは気持ちを盛り上げることもできますし、緊張を和らげる効果もありますのでしっかり声を出すことをお勧めします。その際はポジティブな声を大きな声で出すといいでしょう。指導者はチームを盛り上げるための声かけを行って下さい。
試合後
自覚している以上に身体は消耗していますので、しっかりケアを行って下さい。試合直後はアドレナリンが分泌されていて興奮しており、ケガなどに気づかない場合がありますので、しばらく経って落ち着いたところで体の状態を確認してください。捻挫などのケガがある場合はアイシングを行う必要があります。その際は、凍傷に十分に注意して20分を目安に行ってください。
食事に関しては、できる限り早くすませて、身体をしっかり休めることを心がけて下さい。その際は、疲労回復に効く、ビタミンB1などが多く含まれる、豚肉や大豆、キノコ類などを中心にしっかり食事をとってください。アミノ酸が入っている飲料やサプリメントをとるのも疲労回復に効果があります。
試合の反省や気付いた点はサッカーノートに記入しておくと今後の試合に活かされます。試合当日は疲れているとは思いますが、前日だと忘れてしまう可能性がありますので当日に、しっかり記入しておくことをお勧めします。
まとめ
今回は、私の経験から試合前の準備の仕方について解説しました。しっかりした準備を行えば、試合のパフォーマンスも上がりますし、自信をもって試合に挑むことが出来ます。試合は既に始まっているということを自覚し、試合前の準備や日々の練習に取り組むことでいい結果に繋がるのではないかと思います。
ももかつ
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