はじめに
日本の学校教育に起因する3年縛りの影響により、ジュニアユースにあたる中学年代やユースにあたる高校年代を一部の選手を除く、ほとんどの選手が3年間同じチームでプレーすることが多くなっています。
海外に目を向けると、日本でいう部活動という制度がなく、育成年代の選手はクラブチームでプレーしているのが実状であるため、日本のような3年縛りの影響はなく、短いスパンでチームを移籍していくケースも珍しくありません。
日本教育の制度に起因した、学校の部活動やクラブチームの3年縛りの育成に与える影響について今回は解説したいと思います。
中学、高校の学校教育の3年縛りがサッカー育成へ与える影響
筆者も中学の3年間、高校の3年間を同じチームでプレーしてきました。
当時は、当たり前の事で、正直なところ、それ以外の選択肢はなかったので、違和感を感じることはありませんでした。
しかし、海外に目を向けるとほとんどの選手はクラブチームでプレーしているため、育成年代であってもクラブ間の移籍は頻繁に行われています。
海外ではどの年代においてもクラブチームの数が非常に多く、選手は自分のレベルに合ったクラブチームを選択する事が出来ます。
また、3年縛りのような制度もないので、自分に合わないチームや指導者、サッカースタイルであった場合など自由にチーム間を移籍することが出来ます。
現在の日本では、ジュニアユースの年代では昔よりもチーム間の移籍は聞くようになりましたが、頻繁には行われていないように思います。
ユース世代では、高体連の高校から、Jクラブユースへの移籍はチームが提携している場合を除き、ほとんど聞きませんし、選手権に出場するため、一部のJユースの選手が強豪校に移籍する以外ではあまり聞きません。
筆者も高校は特待生で入部しましたので移籍は不可能な状況でした。
自分の経験ですが、入部してみないとチームの中の事情、育成・指導方針、サッカースタイルなど、わからないケースが多々あります。
現状では、移籍しようにも方法がなく、一度高校を辞めて他の高校に転入するしか方法はありません。
筆者の時代でも、一部の選手で特待生で入部した後、チームに合わないため、高校を辞めるというケースが多くありました。
教育制度の3年縛りがあることによって、選手は自由にチーム間を移籍することが出来ない状況にあります。
特に高校年代のユース世代ではそれが顕著に表れており、その理由としては、高校年代の99%が高校のサッカー部に所属しているためです。
ある選手が高校のサッカー部に所属し、その選手に指導方針やサッカースタイルが合わずに、成長できない場合であっても3年間は同じサッカー部に所属しないといけないという現状があります。
他のチームに移籍できれば、大きく伸びる可能性がある選手であってもです。
個人的見解ですが、3年縛りがあることにより、磨けば光る才能を失っている可能性があると思います。
まとめ
海外と日本のサッカーは歴史も文化も大きく異なるため、単純に比較することは難しいと思いますが3年縛りや学校の部活動は日本独自の文化で、そのことによる育成への影響は多かれ少なかれあると思います。
また、ユース年代のクラブチームの数が圧倒的に少なく、99%以上が高校の部活動に所属している現状からも選手の移籍は非常に難しいのが実状です。
高校の部活動への所属選手が大半である現状では、すぐに対策を打つことは難しいと思いますが、選手の育成に重点を置いた、プレーヤーズファーストの考え方への制度改正や仕組みの構築が必要だと思います。
ももかつ
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